この宿の礎には、和の精神を大切にしながらも、
洋の美意識を積極的に取り入れるという、
和魂洋才の思想が息づいています。
武家屋敷の風格を宿す和の外観。
一歩足を踏み入れれば、
欧州から取り寄せた調度品が迎える、
華やかで重厚な空間。
それは、和の品格と、かつて彼方にあった異国の輝きが
重なり合った、唯一無二の空間です。
この地に、ひとつの物語が宿る
萩城三の丸、往時は上級武家屋敷であったこの地に、
一軒の旅館が誕生したのは、昭和四十八年のこと。
この土地に、「旅人が歴史にふれ、
記憶と感性が澄みわたるような場をつくりたい」——
創業者である初代当主は、そう願いました。
創業者は、ヨーロッパを旅しては
絵画や家具を買い集め、
庭にはイングリッシュガーデンをしつらえ、
四季折々の花々に彩られた非日常を宿に込めました。
以来、五十余年。この場所は、
多くの人の「節目」を見守ってきました。
ご成婚間もない両陛下がお泊まりになられたことは、
この地の記憶として、今も深く刻まれています。
時代が移りゆく中でも、
変わらずに守り続けてきたものがあります。
それは、「旅を、人生のひとときとして
心に残していただきたい」という想い。
世界遺産・萩城下町の記憶に寄り添いながら、
これからも、心を込めてお迎えいたします。
世界遺産の町並み
北門屋敷の周囲には、藩政時代の武家屋敷や幕末の志士たちの旧宅など、ふたつの時代が交錯する歴史の舞台が広がっています。地図を片手に、萩のまちを自由に散策してみてください。
























江戸時代:藩政の史跡巡り
毛利輝元が築いた萩城を中心に始まった萩藩の藩政。歴代藩主はこの地で実直な統治と学問の奨励に力を注ぎました。
幕末の変革を担う礎は、この静かな城下町で、二百五十余年をかけて静かに育まれていたのです。
幕末:志士の史跡巡り
揺らぐ幕藩体制の中で、長州藩は内なる改革に踏み出し、明治という新しい時代を動かしていきます。
石垣や白壁、ふとした風の中に…松陰のまなざしと志士たちの熱が、今もこの町にそっと残されているように感じられます。
館内の見どころ
表門
武家屋敷を思わせる重厚な佇まいの表門は、北門屋敷の象徴。
江戸時代、毛利家の御成道に面していた由緒ある門で、当時の石垣を活かして再生されています。歴史の趣を今に伝えるこの門をくぐる瞬間から、旅の特別な時間が始まります。
ロビー
門をくぐると一転、明るくロマンティックな雰囲気が広がるロビーが皆さまをお迎えします。
和の要素を残しつつ、アンティーク照明や洋風インテリアが調和した空間で、心からのくつろぎをお楽しみください。

売店
地元の特産品や旅の思い出にぴったりの品々を取り揃えています。
萩焼や季節の限定品など、こだわりのセレクションをご覧ください。

図書館
旅や萩の歴史にまつわる書籍を集めた静かな図書室。
散策の合間に、心を落ち着けて過ごすひとときを。

ガーデン
和と洋の美が静かに息づくガーデン。
和と洋の趣が調和したその風景は、歩くたびに表情を変え、心をほどいてくれます。
ホクモンガーデン
南側に広がるホクモンガーデンは、和洋の花木が調和する英国式庭園。
春には桜、初夏にはバラが咲き誇り、四季の移ろいを静かに彩ります。

パティオ
中庭に設けられたくつろぎのスペース。陽射しと風を感じながら、静かな時間をお過ごしいただけます。

日本庭園
椿や梅の花木と苔が織りなす、静けさに満ちた日本庭園。
客室から望む景色としても、館内の癒しの空間としても、緑の美しい調和をお楽しみいただけます。
